定年退職のご挨拶 情報工学専攻 准教授 宮澤 三造 群馬大学には、丸 22年、ごやっかいになりました。22年と云えば、 誕生したばかりの赤ん坊も大学を卒業する年月ですが、時の経つのは早いものです。 退職を目の前にして感じますことは、他の職に比べ比較的自由な大学教員の職も 宮仕えには違いはないということです。 私の時代は、大学の職は限られ、物理学博士課程の同級は 20人程おりましたが、 その5割はオーバードクターを 3年経験し学位取得、その後は海外でのポスドクへと 研究場所を求めて移動いたしました。もちろんその過程で転職した友人も多々いますし、 また海外に定住した友もいます。私も、3年のオーバードクターと国内で1年, 海外で6年半の研究員生活の後、偶然にも日本に職を得ることができ、 帰国しました。国内では無給でしたから、海外でポスドクに着き研究にたずさわることで 給料をもらえた時のうれしさは今でも忘れません。ようよう得た好みの職ですのに、 贅沢を言っては罰が当りますね。しかし、先年、米国に定住しここ 1-2年ドイツの研究所で過ごしている友から、日々の憂さから逃れ、不確定な将来への 漠然とした思いなかで励んだ大学院時代と同様の生活を楽しんでいる旨のメールを もらいました。定年を迎えますと、これまでとは違い将来なぞというものに 煩わされることなく、大威張りで生活/職を楽しめるという利点があります。 これぞ定年の醍醐味です。私も友の真似して初心にかえった生活をエンジョイ したいと思っています。 最後に、同窓生からの寄付に基づき設立された群馬大学科学技術振興会には、 今年度も含め 5回も海外研究旅費の助成を受けました。この場を借りて、関係する 方々に厚く御礼申し上げます。同窓生の方々にはお世話になりながら、 それに見合うだけのことをしてきたか反省しております。 皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。長い間お世話になりました。 有難うございました。